TRR19 マニュアル for version 1.0

{山本 泰宇}


Copyright (C) 1996 Yamamoto Hirotaka

TRR の歴史

The birth of trr

trrが人類の歴史に初めて姿を表したのは1986年のことである。それは沖 電気工業で当時遊んでいた守山貢氏が、自らのタイプ速度を上げるための練 習用ツールとして、Dec2060用にPascalで作成したものであった。守山氏は その翌年C版のtrrを作成し、それが次第に普及していくことになる。ちな みにtrrという名称(愛称トゥルル)は守山氏が取り敢えず"trainer"から "aine"を省略して名付けたのであるが、本当の名前を考える前にそれが各地 に普及してしまったそうである。

Original E-Lisp edition

trrの歴史に新たな展開が訪れるのはtrrがICOT(新世代コンピュータ技 術開発機構)に移植されてからである。ICOTのリーダーの一人でありしか もピアノの名手でもある富士通の近山隆氏が初めてtrrをやってみたところ一 発で500点以上をマークし(600点を越えていたという証言者もいる)、そのよ うな高得点を想定していなかったtrrのプログラムのバグを引き出したという 逸話はあまりにも有名である。その後trrはICOTの中でNSIS(日本電 気技術情報システム開発:現在はNEC情報システムズ)の稲村雄氏により Emacs-Lispに翻訳され、稲村公開版 trr として定着していった (<INAMURA.92May21180510@psiux536.icot.or.jp>)。その後ICOTの萩原 氏(現ソニー)などの手によりハイスコアを競い合う形式が確立し、Emacs版 trrへの人気は絶大なものとなり、第5世代コンピュータプロジェクトの成果 の一つに数えられる程となった。

Great Evolution

trrにさらに大きな転機が訪れたのは、沖電気工業で当時やはり遊んでいた 加藤研児氏がICOTに出入りするようになってからである。ここで、この 人物について簡単に紹介しよう。彼は学生時代にはタイプが全く打てず、論 文を締切りに間に合わせるために担当教授である今井浩助教授(現東大)に自 分の論文をタイプさせた程の経歴の持ち主である。その時のコンプレックス からか、彼は沖電気に入社すると同じ職場の守山氏の作成したC版trrに熱中 し、明けても暮れてもtrrばかりやる毎日であったと言う。 彼はICOTで進化したtrrに触れ、改めて感銘し即座に改宗すると共に、 同僚の女性(りみりん)の発言をモデルにして評価メッセージの表示機能を追 加しはじめた。より馬鹿馬鹿しいメッセージを出すために各種実行情報の集 計機能を追加すると共に、テキスト選択や立ち上げの高速化等の各種の修正 及び機能追加を行い、1992年にNemacs版と呼ばれるものを発表した。ちなみ に彼はtrrをあまりにやり過ぎて指を痛め、現在はすっかりタイプスピードが 落ちていると言う。くれぐれもやり過ぎには注意されたい。なお彼は現在、 数理技研(株)に身を隠している(kato@suri.co.jp)との情報である。

New Generation

これは長らく親しまれてきたが、残念ながらNemacs上でしか動作しなかっ たため、Emacs 19 が世に広まるにつれ徐々に忘れられ始めてしまった。そ こで東大情報科学科の山本泰宇(著者)がNemacs版のコードを全面的に見直す と共に、英語メッセージ表示などの機能を追加したTRR19を1996年に発表した。

Installation

以下の手順で行ないます。もし問題があれば ymmt@is.s.u-tokyo.ac.jp まで連絡お願い致します。

TRR を展開する

例えば以下のようにして下さい。

% zcat trr19.tar.gz | tar xvpf -
% cd trr19


GNU tar を使っているなら

% tar xvzfp trr19.tar.gz
% cd trr19

Makefile を編集する

`Makefile' の上の方にある以下の項目を編集して下さい。

`trrdir'
TRR の elc file, text の入る directory, high score を保存する directory, `CONTENTS' file が入る場所です。 absolute path name でお願いします。
`bindir'
TRR の外部 command である、trr_update, trr_format が入る directory です。 absolute path name でお願いします。
`infodir'
info の入る directory です。
`EMACS'
使用している Emacs version 19 の command 名です。
`installer'
install する人か、TRR の maintainance をする人の e-mail address や 本名を入れて下さい。
`japanese'
TRR の message 表示モードの default を日本語にしたい方は t, 英語にしたいかたは nil にして下さい。
`OPTIONS'
C compiler に渡す option です。大抵はそのままで大丈夫だと思いますが 何らかの include file がないといわれた場合、-D を削ってみて下さい。 それでも駄目な時は ymmt@is.s.u-tokyo.ac.jp まで連絡して下さい。
`SED, GREP'
path 名が違う時は変えて下さい。必ず絶対パスで記述して下さい! setuid している command の security のためです。

make all

Makefile を編集し終ったら make all と type してください。 失敗した時は Makefile の OPTIONS を変えて試してみて下さい。 それでもうまくいかない時は system 名、emacs の version, エラーの内容を沿えて ymmt@is.s.u-tokyo.ac.jp まで連絡して下さい。

make install

以上が全てうまくいったら TRR を install します。 make install と type して下さい。 trrdir, infodir, bindir が存在しない場合は作成されます。 もし info file がないようならば make info として下さい。

うまくいった後に `(infodir)'/dir に trr の項目を 付け加えるのを忘れないようにして下さい。

好きな text を TRR で使う

TRR19 は日本国憲法と合衆国憲法がいっしょに配布されています。 これら以外にも自由に好きな text を使って TRR を行なうことが出来ます。

以下のような条件を満たしていることを確認して下さい。

以下では `(trrdir)' は Makefile で指定した trrdir の こととします。

  1. 付け加えたい text を `(trrdir)'/text にコピーする。
  2. 付け加えた text の情報を `(trrdir)'/CONTENTS file に 書き加える。 CONTENTS file の書き方は CONTENTS file 内に詳しく書いてあります。

text file はいつでも好きな時に上のようにして付け加えられます。

autoload

最後に TRR を autoload 出来るようにします。 以下のいずれかを選んで下さい。 なお以下では `(trrdir)' は Makefile で指定した trrdir の こととします。

You are done! 以上で M-x trr と type すれば TRR が出来るはずです。

さあ始めよう

TRR は以下のような流れで実行できます。

  1. Emacs (MULE) から M-x(もしくは ESC-x) trr RET
  2. text の一覧が出てくるので打ちたい text の番号を入力する。
  3. ちょっと待つと画面が3段にわかれて text が表示されます。
  4. カーソルの上にある文字をどんどん打っていって下さい。 間違えるとそこでカーソルが止まります。BackSpace などで 直す必要はありません。
  5. 最後まで打つと得点やかかった時間が表示されます。
  6. menu が出ますので続けたければ 2, もう終りにするのなら 1 を 押して下さい。

もっと TRR を知ろう!

TRR にはいろいろな機能が備わっています。

プレイレベル

TRR は player の level に応じた4つの mode を持っています。 これは menu の `設定の変更' で変えることが出来ます。

`初心者用 TRR'
表示される text の量は中級者用と同じですが、 session を繰り返しても同じ text が表示されます。 得点は初心者用の file に記録されます。
`中級者用 TRR'
default ではこの mode になっています。 これで300点が出せるようになればあなたもなかなかの TRRer でしょう。
`上級者用 TRR'
ここは初心者が生半可な気持ちで入ってはいけません。 text は full screen で出てきて、しかも減点率が 初心者もしくは中級者用の5倍!!
へたをすれば一生悪夢に悩まされてしまいます。

トグルスイッチ

menu の `設定の変更' の中で いくつかのスイッチを 切替えることが出来ます。

それぞれ該当する番号を選ぶことで切り替わります。

特殊なキー操作

TRR の typing 画面では次のような特殊なキー操作が許されています。

C-l
TRR を -nw で起動したりすると biff 等で画面が乱れることがあります。 そういった時に C-l を押せば画面を redraw します。
C-c
session を始めると TRR は typing のキー入力以外禁止します。 途中で止めたくなった時は C-c を押すと即座に終了します。


使いやすくしよう

TRR は `.emacs' に書くことで User にさらに細かい設定の 手段を提供しています。

toggle switch の default 値

menu の `設定の変更' で毎回設定を変更するのが煩わしい場合 以下のようにすれば default 値を変更できます。

`return'
(setq TRR:return-is-space t) とすれば default で return キーを space キーで代用できます。 (setq TRR:return-is-space nil) なら出来ません。
`language'
(setq TRR:japanese nil) とすると message が default で 英語の表示になります。t なら日本語です。
`ding'
(setq TRR:ding-when-miss nil) とすれば miss したときに 音がなりません。t だとなるようになります。
`hyphenate'
(setq TRR:un-hyphenate nil) とするとハイフネーションを 戻さなくなります。t だとハイフネーションを消します。

TRR の default directory の変更

TRR は通常 install 時に正しい directory を与えられています。 しかしなんらかの理由でそれを変更したい場合環境変数を 与えれば変えられます。

elc, text, record 等が入っている directory を与えるには 環境変数 TRRDIR を定義します。trr_update, trr_format が 入っている directory は TRRBINDIR です。

色を変更したい

default の色指定は明るい背景用になっています。 これも `.emacs' に以下のような指定を加えれば変更できます。

`textの色'
(setq TRR:text-color-name COLOR) の color に 色を表す文字列を入れると打つべき text の色がその色になります。 COLOR に nil を指定すれば色がつきません。 以下も同様の指定方法です。
`正しく打った文字の色'
(setq TRR:correct-color-name COLOR) で指定できます。
`間違えた文字の色'
(setq TRR:miss-color-name COLOR) で指定できます。
`グラフの星の色'
(setq TRR:graph-color-name COLOR) で指定できます。
`自分の名前の背景の色'
(setq TRR:self-color-name COLOR) で指定できます。


フック関数

TRR は以下のような hook を用意しています。

TRR:load-hook
TRR を load する時だけ評価されます。
TRR:start-hook
M-x trr を実行する際に評価されます。
TRR:end-hook
TRR を終了する際に評価されます。

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